ゲーム評論:FINAL FANTASY XV その2 (ネタバレ有)

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ストーリー編1

総評としては「クソゲーと言うほどではないし良いところもたくさんあるが欠点が目立つ」「描写不足(分割)のおかげで伝えたいことが伝わってない」。

 

冒頭は老ノクトと仲間たちが炎の怪物(イフリート)と戦うところから始まる。これは最終決戦を抽出した場面で、映画とかでよくあるラストの展開を最序盤でちょこっと流すやつ。

これさあ、なんでイフリートなの?イフリートが王都を壊滅させたとか父を殺したとか何かしらの因縁があれば最初に出す理由もわかるんだけど、ないじゃん。イフリートはルシス王家の守護神とかそういう設定があればもっとよかったんだけどなあ。

 

そのあと場面は切り替わって、旅立った早々車が故障し、車を押しながら荒野を歩くシーン。『Stand By Me』が流れて青空をバックにFINAL FANTASY XVの白い文字ロゴが現れる。

これは俺めっっちゃ好きだよ。元々スタンド・バイ・ミー(ロブ・ライナーの映画)めちゃくちゃ好きだしワクワクした。遥か地平線まで広がる荒野とラバティオ火山が遠くに見えてこれからの壮大な冒険を予感させてくれる。

元ネタの映画の方は4人の少年たちが小さな冒険を通じて成長する物語。人は大人になるにつれて損得だとか立場だとかを意識するようになって、本心をさらけ出せるような関係を持つことは難しくなっていくけれど、立場や生まれを超えて付き合える少年時代の友達こそ後の一生では得難いものだ、という主人公の独白が心に残る。ノクトたちにも立場を超えた真の友情がある。ラストではノクトは正しき王であることより一人の男として仲間たちに本当の想いを託していくことを選んだ。

 

そもそもノクト一行が旅に出た経緯はルシス・ニフルハイム間の戦争が一時停戦し、その平和の象徴としてルシスのノクティス王子とニフルハイム領テネブラエ王国令嬢ルナフレーナの婚約が決まり、結婚式がテネブラエ国のオルティシエという都市で行われることになっていたためである。(つまりノクトたちは結婚式に向かっている)

ノクトたちがテネブラエ行きの船を待っているところで、「ニフルハイムが停戦合意を破棄し、王都が奇襲を受け壊滅したこと・父レギス王が戦死したこと・世界を守るための重要な宝であるクリスタルが奪われたこと」を知る。

王都襲撃の描写は数十秒のムービーを見せられて終わる。詳しくは映画『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』を見ればわかるぞ!って感じ。うーーーん。スクエニさん、もうちょっとなんとかならなかったんですか?

 

その後レギスの古い友人であるシドやルシス王国の将軍コルの話を聞き、レギスはニフルハイムの裏切りを予見しており、息子を逃がすために旅に行かせたことを知る。ノクトは「国民を守ることが国王の仕事なのに息子だけ逃がしたのか!」と真意を伝えずに送り出したレギスに激怒する。それを横で聞いていたコル将軍は「お前はもう守られる立場ではない、陛下はお前になら王の責務を託せると信じて未来のために逃がしたのだ」と一喝する。

正直レギスがあの時何を考えていたのかはよくわからない。映画でもはっきりと断言されたわけではないが、怪しい停戦合意を受け入れて王都で迎え撃つ他に取れる手段がないほど追い詰められており、真の王の力をまだ持たないノクトが居ても役に立たないと判断したのだろう。ここらへんの事情やらなんやらも映画収録なのがねえ。ノクトが為政者になれない運命であることを知るレギスからすれば本心なんて言えるわけがない。

 

目的が結婚式から王都を奪還するために各地に眠る歴代王の力を得ることになる。のだが、途中から六神と呼ばれる神々の力を集めろとか言われる。この導入が雑すぎる。本当は間に何かイベントがあったのに削られたんじゃないかという違和感があった。しかも六神の力はストーリー進行上必ず取らされるのに、歴代王の力は欠けててもシナリオクリア可能。どういうことだってばよ。

 

戦争勃発以降船が出てないので船を直してついにオルティシエにたどり着く。ベネチアモチーフの美しい街でグラフィックも音楽も最高なのだが・・・。ストーリーの都合で長くは滞在できない。サブイベントもほぼ発生しない。次の章に進むと帰ってくることもできない。序盤の岩石と砂しかない荒野延々歩かせるくせに美しい街はすぐ飛ばす、(惜しいって言ってるのは)こういうとこだぞ。

 

楽しい旅はここまで。

この続きはまた後で。