ゲーム評論:FINAL FANTASY XV その3 (ネタバレ有)

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ストーリー編2

オルティシエ到達後

ヒロインのルナフレーナ(ルーナ)神凪(かんなぎ)と呼ばれる巫女のような役職に就いている。FF15の世界の神の言葉を人間が理解することはできないのだが、神凪だけは理解することができ、王と神の間を取り持つ役割を負っている。

 またルーナはルシス王家の秘宝「光耀の指輪」をレギスから託されている。本来ノクトが所有するはずの指輪をなぜ持っているかは映画を見てくれよな!これはダメでしょ。シナリオを左右する重要アイテムについての情報を本編で端折っちゃダメだろ。

 この指輪はクリスタルの力を発揮する鍵であり、クリスタルは奪われたものの指輪は帝国の手に渡っていないので首の皮一枚でつながっている状態。本編ではなぜか描写されていないが、映画だと歴代王が認めない者が指輪をはめると身体を焼かれて息絶える恐ろしい代物。

 

ルーナはノクトに海神の力を授けるために海神との対話の儀に臨む。力を授けることを拒み、荒れ狂う海神リヴァイアサンとノクトは戦うことになる。ノクトが死闘を繰り広げる中、ルーナは帝国宰相アーデンの凶刃に刺されてしまう―。

 

ルーナとノクトは10年以上文通を続けていながら、悪化する国際情勢の関係上お互いの政府要人という立場もあって直接会うことは叶わなかった。ノクトとの結婚は政略結婚であったが、ルーナは幼少期を共に過ごしたノクトと一緒に暮らせることを喜んでいた。休戦協定の破棄によって結婚は中止になったものの、オルティシエでの再会を楽しみにしていた矢先のことであった。

 ルーナとノクトは結局一言も言葉を交わすことなく永遠の離別をすることになる。死の間際に気を失ったノクトに力と指輪を託し、海中へ沈んでいく。目覚めたノクトは深い喪失感の中、受け取った力を使い海神を下す。

 

「長年遠距離恋愛だった2人がやっと会えると思ったら、言葉を交わすことなく永遠の別れをしてしまう」という悲恋シチュ自体は美味しいと俺は思うよ。だからヒロインが死んだことに対して別に文句はないけど、映画を観てないとルーナの出番なさすぎて感慨もないっていうのはわかる。もはや映画必修なんだよな。補足とかオマケじゃなくて。リヴァイアサン戦のグラフィックと音楽はすごく良いよというかこのゲーム、グラフィックと音楽はほぼ満点だよ。

  

リヴァイアサン戦後再び気を失ったノクトは目を覚まし、ルーナとの文通ノートを見て彼女が亡くなったことを改めて理解する。また、別行動をしていたイグニスがなぜか失明していた(正確には弱視になった)。本人曰く「大規模な戦闘があった」らしいが詳しいことは何も教えてもらえない。詳しくは別売りの有料DLCで!あのさあ!

 その後は暗転して2週間後に飛ぶのだが、その間ノクトはずっと落ち込んでいたらしい。そのことに対してグラディオは

「イグニスはお前に命を預けて戦った結果大怪我をしたのに、いつまでもうじうじとしてばかりで臣下を気にかけてやることもできないのか。王は家臣を気遣ってやらなければならない立場だろ(本人が言葉足らずすぎるのでかなり意訳)」とキレる。

 

ここまでは彼の怒りも理解できるのだが、その後がなあ・・・。

この後はクリスタル奪還を目指して帝都を目指すのだが、険悪ムードをひきずってグラディオはネチネチと嫌味を言ってくる。別にノクトも悪気があってやっていることではないし、一度言ってわからないほど頭が悪いわけではないと彼ならわかるはずなのだが。

 前述の記事で彼が難しい立場に置かれていることは述べたものの、擁護できるのはリヴァイアサン戦直後の発言くらいなんだよなあ。彼の最初のイメージである男らしさや兄貴分とはかけ離れた言動をするので幻滅した人も多いとは思う。

 

その後イグニスが

「自分のことでいさかいを起こしているのだけが聞こえてくるのは良い気分ではない。今まで通り活躍できないのは自分でもよくわかっている。それでも俺は旅を続けたいんだ。自分にできることをやる。それでもダメなら置いて行ってくれ」

 「ノクト、王は例え何を犠牲にしてでも前に進まなければいけないんだ。だけれども、ノクトには今気持ちの整理をつける時間が必要なんだ」

 と正直な思いを示したことで険悪ムードは解消へ向かう。ここでグラディオがノクトに謝る描写が欲しかったな~と思う。なんで謝らねえんだよ。イグニスのがよっぽど男らしいじゃねえか。

 

次はシヴァ+テネブラエ