あまりに重い選択/ウィッチャー3エピソード紹介
こんにちは
私はここ最近『Witcher3』にハマっているんですが、このゲームはシナリオがよくできていて、印象に残ったエピソードを備忘録ついでに紹介しようと思います。
◆Witcher(ウィッチャー)はどんなゲーム?
プレイヤーは怪物退治の達人のゲラルトになって世界を旅します。彼らの世界では、この怪物退治の専門家のことを「ウィッチャー」と呼んでいます。
Witcherの世界は『指輪物語』のようなハイファンタジー世界です。(私と同世代だと『デルトラ・クエスト』と言った方が伝わりそう)
今作では怪物退治を請け負いながら様々な人と出会い、行方不明の弟子シリを探しに行きます。
◆どうしようもないクズ、男爵
ゲラルトはシリの行方を求めて、血まみれ男爵(以下、男爵)と呼ばれている人物を訪ねる。彼はどうやらシリの行き先を知っているらしいが、自分の妻子も行方不明なのだという。
そこで彼はゲラルトが男爵の妻子を見つけてきたら、シリについて知っていることを話すと持ちかけてきた。
当初男爵は妻子は誘拐されたと話していたが、ゲラルトの調査によって男爵の説明は嘘で、彼の家庭内暴力が原因で妻子が逃げたのだと判明。ゲラルトは「お前はクズだ」と罵るが、男爵は妻は浮気をしていたから殴られる理由があると言い訳する。
◆狡猾な貴婦人
ゲラルトは調査を続け、沼地で孤児の面倒を見ていた老婆が男爵の妻であることを突き止める。彼女は男爵の家から出るために魔女の助けを借り、その代償に悪事の片棒を担がされていた。
その沼地は「森の貴婦人」と呼ばれる恐ろしい魔女によって支配されていた。ゲラルトはシリの行方を教えてもらう対価に貴婦人からの依頼を請け負うことになった。
貴婦人は殺害した魔術師が地縛霊になって領地を荒らしていることに苛立っていた。ゲラルトは沼地の村の住民の案内に従って亡霊に接触した。
◆危険な取引
亡霊いわく、沼地の孤児は魔女の生贄になる運命であり、助けたい。自分を呪縛から開放してくれたら助けると取引を持ちかける。*
ゲラルトは亡霊に馬の肉体を与えて開放し、一度報告のために男爵の屋敷に戻る。
◆救った命、殺した命
男爵の妻を連れ戻すために男爵と沼地に向かうゲラルト。沼地の村に立ち寄ると村は破壊され、村人は殺戮されていた。生き残り曰く、「馬の怪物が襲ってきた」のだという。亡霊は確かに約束通り孤児を開放したが、同時に自分を見殺しにした村人たちに復讐したのだった。
◆自分が選んだ、結末
男爵の妻は孤児を逃がすことに加担した罰で死の呪いをかけられてしまった。ゲラルトは呪いを解くべく奮闘するが魔女の罠に嵌められて、男爵の妻は亡くなってしまう。
男爵は「1人にしてほしい」と言い、先に屋敷に帰る。
後日ゲラルトが報酬を受け取るために屋敷へ足を運ぶと、男爵は庭で首を吊っていた。自らの愚かさが妻を死に追いやった事実に耐えられなかったのだ。
男爵の部下は全くどこ吹く風な様子だったのでゲラルトは哀しくないのかと問う。部下は「酒に酔って横暴をするからいつか死ぬと思っていた」と平然と答える。
ゲラルトは男爵の哀れな最期を見届けて、次の旅路に向かった。
◆本当にこれが選びたかった結末だったのだろうか
人は時に小さな悪と大きな悪を選ぶ時が来る。できればどちらも選びたくないものだが、前に進むためには選ばなければならない。ゆえに振り返るべきではない。進み続けるためには常に何かを犠牲にしなければならないのだから。
*ちなみに亡霊を信じずに始末すると、孤児は全員魔女に喰われ、男爵の妻は凄惨な光景を見たことで廃人になってしまう。男爵は妻を治療するために旅に出る。
「孤児」or「男爵+妻+村人」しか選べない。どちらもが正解であり間違いである。