オープンワールドの傑作/ウィッチャー3評価

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ウィッチャー3ワイルドハント

買ってから連日狂ったようにプレイしたWitcher3の評価を書きます。

各項目5段階評価です。

シナリオ☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
バトル☆☆☆
ボリューム☆☆☆☆☆
サウンド☆☆☆☆☆

総合得点 92/100点

 

◆シナリオ

一見関係なさそうなクエストからじわじわ本筋に迫っていくなどサイドにも埋め込まれた華麗な伏線回収に脱帽。「あれはこのことだったのか!」と納得する瞬間は気持ちがいい。
戦争中の物語ということもあり、どう転んでも全員が幸せな結末にはならないクエストの方が多い。運命の渦の中でもがく人間の無力さ、虚しさを描いているので、個人的には相応しいと思った。ただしハッピーエンドを望む人には苦痛かもしれない。

 

◆キャラクター

両面性のあるユニークなキャラクターが良い。主人公ゲラルトは基本的には社会道徳を守るが、勧善懲悪なわけではない。目標達成のためには非情な手段を採ったり、残虐な権力者を弑することを是とする。
また、ヴェンガーバーグのイェネファーは女魔術師の悪の側面を表した代表例だと言えそうだ。彼女は他者を思いのままに操ろうとしたり、死者に鞭打ったりと道徳的に逸脱した行為を働くことがしばしばある。それらは彼女にとって娘同然の存在である"シントラの仔獅子"ことシリラへの愛ゆえの行動でもあるのだが……。
彼女はそういった危険なあるいは倫理的に問題のある行為を犯す際に、正直に説明すれば反対されることがわかっていて敢えてギリギリまでリスク面を黙っていたりするのがしたたかでありいかにも女魔術師らしい。

 

◆バトル

別段悪いというほどでもないが普通。このゲームにおけるバトルは物語を楽しむための演出装置という印象を受けた。一撃離脱の回避反復ゲーなのでトロフィー目的でないなら低難易度でサクッと遊ぶ方をおすすめする。
なぜこうなってしまったかについて軽く説明すると、印(魔法)は性能格差が激しい上にガス欠になりやすく、弩は威力が低すぎてメインウェポンにはならない都合で結局無難なのが剣と爆弾くらいしかない。受け流し反撃などもあるが、怪物の攻撃は重くて受け流しができない。(なんで??)
簡単操作でかっこいいフィニッシュムーブが決められるのは良い。

 

◆ボリューム

狂った量の情報がこれでもかと散りばめられている。書物の大半は本筋に関係のない情報なので見る必要はないのだが、想像をかきたてるようなフックであふれている。
サイドクエストも本編並みに気合の入ったシナリオが語られることが多く、本筋に関係のない場所で行った善行の結果が思わぬところで影響してきたりする。
おそらく開発もプレイヤーが全ての情報を拾うことは想定していないので、興味を持ったところだけやればいい。旅の指針を決めるのは開発者ではなくプレイヤー自身なのだから。こういったある種の雑さがあるので、何事もコンプリートしたい性格の人には合わないかもしれない。

 

サウンド

狂気的なこだわりの発揮でボイス実装量が異常。会話イベントが発生していなくても立ち聞きで様々な情報が拾える。血なまぐさい戦場感覚から離れた庶民の生活を垣間見れるのが良い。
音楽も良い。スラヴ系民族音楽からアレンジしているらしく、バルト三国をイメージさせる舞台とマッチしている。

 

◆総評

神ゲー」には全員が80点をつけるものと賛否は分かれるが5割の人間が満点をつけるものがあるという。Witcher3は後者だと思う。合うと思った人はぜひウィッチャーの世界に飛び込んでみてほしい。驚きと苦悩と勝利の冒険があなたを待っている