プレイ感想/ヴァンガードZERO

f:id:ohmisanyon:20191218225133j:plain

 

今回は先日(2019/12/5)リリースされた『ヴァンガードZERO』をさらっと遊んだので感想でも書いてみようと思います。たかだか10日程度触っただけなのでゲームを把握しきれてない部分多々ありますがご承知おきください。

そもそもヴァンガードはもととなるTCG(紙のカードゲーム)があってそれがスマホアプリ版で今回リリースされました。『遊戯王デュエルリンクス』と同じ流れですね。

公式サイト

vgzero.bushimo.jp

自分は実のところヴァンガードTCGはやった経験がなくて、遊戯王デュエルマスターズ・HeathStone・シャドウバース等は経験ありです。当然カードショップで名前は目にするので「聞いたことはあるけど詳しくは知らない」状態でした。※なのでTCGとのルール変更点はよく理解してません。

なお、アニメを少し見ていた時期があるので戸倉ミサキさんがかわいいのは知っている

f:id:ohmisanyon:20191218230302j:plain

かわいい

GOOD POINT

ちゃんとストーリーがある

「当たり前じゃねえか!?」と思うかもしれませんが、ライバルになる「デュエルリンクス」のストーリーなんてあってないようなもんで、原作アニメ見てないと誰だかわからないような奴がロクな説明もなしに出てくるんですよ。その点ヴァンガードZERO」は真面目にストーリー展開して、アニメのダイジェストを追っていく形で進行していくので誰が誰なのか初見でもわかります

 

ルールが簡潔で、チュートリアルを一通りこなせばわかるようになっている

アプリリリース直後でカードプールが狭いからというのもあるかとは思いますが、ヴァンガードTCG未経験者の私でもすぐにルールが理解できました。

ざっくりいうと「ヴァンガード」という戦場を離れないプレインズウォーカーみたいなのと「リアガード」というクリーチャー?を駆使して相手のヴァンガードを先に6回殴ると勝ちです。

意味わからんキーワード能力が少ないので楽でした。デュエルマスターズTCGの方がよっぽど難しいわ。ユニットのパワーがバトル中に頻繁に上昇するので計算を念頭に入れながらプレイするのだけは慣れに時間がかかったかも。

 

対戦の遅延が少ない

これはすごいと思った。すぐマッチングするし、相手ターンに誘発するカードがほとんどなく、変なソリティアもないのでターン回しがスムーズ。

 

クラフトの実装。

HearthStoneとかだと「いらない高レアカードを手放して素材を貯めると好きなカードと交換できる」システムがあって、よく「クラフト」とか呼ばれているんですけど、それが(溢れたカードしか砕けない制限があるものの)あります。デッキに入らない5枚目以降のカードを砕くか、キャラファイトの報酬を貯めると欲しいカードに変換できます。いらないカードはTCGだとショップに売り払うんですけど、アプリだとそれができない分何かしらの保証がほしいのは全プレイヤー共通の意見だと思う。

 

BAD POINT

キャラファイト(NPC戦)が異様に強すぎる

まあ当たり前なんですけど始めたばかりはデッキが弱いのでクラフト素材を集めたり、ストーリーを進めてガチャチケットをもらって戦力補充をしたいところです。そのためにはキャラファイトに勝つ必要があるんですが、キャラファイトにはVery EasyからVery Hardまで5段階あって、違いはライフのハンデ。Very Easyでもトップレアの強力カードを複数積みで使ってきます。アホか??

CEOアマテラス(すごくつよい)複数積みのデッキとコモンまみれのデッキで勝負になると思ったか??

というわけで最初の方は惨敗を繰り返すことになるので非常にキツイです。挫折ポイントだと思うなこれは。レベルデザイン的に問題があると思う。

「トリガー」という運要素が強いゲームなので格上相手でも常にワンチャンはあるんですけど、ワンチャン頼りでリトライし続けるのはつらかった。

 

要るか?そのマイルーム要素

何か取ってつけたようなマイルーム要素があるんですけど必要性がわからない(やる動機づけがない)。例えば『ドールズフロントライン』だとマイルームを充実させるとキャラ育成に使うリソースがより多く得られるんですけど、そういう有利になる要素が現状何もないのでどうせなら何か付けてほしいです。カードプロテクターをもらえるとかでいいんで。

 

結語

現状ちょっとNPC対戦の難易度調整がおかしくねえ?って思いましたが、メインは対人対戦ツールだと思うのでそこをちゃんと頑張っていれば軌道に乗ると思いました。

TCGファンとしてもぜひ頑張ってほしいなと思います、今後に期待です。

 

 

 

プレイ感想/プロ野球スピリッツ2019

f:id:ohmisanyon:20191027211435j:plain

今回は『プロ野球スピリッツ2019』の感想です。
長寿シリーズですが、自分はシリーズ初なので過去作との比較などは出来ません。そのため新規プレイヤー目線での評価になります。

 

www.youtube.com


GOOD POINT

実在選手の顔やバッティングフォームがよく再現できていて観察しているだけで面白いT-岡田(オリックス)、畠山(ヤクルト)、ブラッシュ(楽天)などはフォームが特徴的で面白いし、作成したオリジナル選手に有名選手のフォームを真似させることもできる。

 

里崎智也氏や赤星憲広氏など実在解説陣が試合を盛り上げてくれるところ。例えば、二直ライナーでアウトになった次の打席に入ったときには「さっきはアウトになりましたけどバットにはしっかり当たっていましたからね。次は期待できると思いますよ!」とその場に応じたコメントをしてくれる。

(三振だと「ちょっとタイミングが合ってない感じしますよね」とか言われる)

 

・甲子園モード(育成)が面白いところ。高校球児として甲子園優勝を目指し、練習コマンドを駆使しながら能力を鍛えて試合に勝つことが目的なのだが、試合と育成のメリハリがついていてテンポよくできるし、能力が上がっていくのは楽しい。元々自分がときメモ好きなのもあって、システムが似ているこのモードが一番好き。

 

ペナントレースで実在球団を率いて戦えるところ。継投やスクイズ、代打なども自分で指示することができ、まるで贔屓球団の監督になったようにプレイできる。現実だとありえない移籍をしたりするので、自分の場合横浜の二塁を堂上(中日)に守らせてた。強奪しまくってオールスター軍団を組むこともできる。

 

BAD POINT

育成全般において運要素が大きすぎる。一年モードで登場するNPCと交流すると能力が上がったり、スキルを覚えたりするのだが、そもそも登場するかどうかがランダム。当然登場してくれるライバルが少ないとそれだけ育成が不利になる。ランダムではなく、「練習試合でホームランを打つ」「パワーがⅮ以上になる」など努力次第で達成できるフラグで登場してほしい。

 

取得が極めて困難なトロフィーが存在すること。プレイ難易度が高い、という意味ではなく運任せの項目。詳細説明は省くが、0.5%程度の発生率のイベントを踏まないと取れないトロフィーがあり、しかもなぜか直前セーブができない仕様。何のためにこのトロフィーを作ったのか。

 

ペナントレースモードで決めることが多すぎる。詳細まで凝っているのは基本いいことだが、凝りすぎて煩雑になっているように感じる。ドラフト候補の調査くらい勝手に進めておいてほしいし、資金繰りもやらされるのは仕事が多すぎる。「それ監督の仕事か?」と思う部分も多いのでもうちょいシンプルにしても良かったのでは。

 

・守備の送球はホームベース視点か外野視点かで入力方向が逆向きになるのだが、試合で求められるのは外野視点が多いのに守備練習ではホームベース視点しか用意されていない。なぜ?

 

ペナントレースモードのアイテム使用UIが最悪レベル。なぜ複数個一気に使えないんだ。ロード画面挟んでちまちま使うのアホくさすぎるぞ。

 

総括

総合的には面白かったが、極端に運に偏っていたり不親切が目立つ。ユーザーが快適にプレイできることを大切に考えてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

【クリア感想】モンハンアイスボーン【MHWIB】

f:id:ohmisanyon:20190922175552j:plain

こんにちは。この度MHW拡張DLCアイスボーンをクリアしたので感想を書きます。(ネタバレ有)

総合評価

まず総合評価としては良作4,500円を出す価値あり

GOOD POINT

謎の古龍「イヴェルカーナ」を追いかけた先に未確認の島が発見され、ハンターたちは島に上陸し、調査を開始する……。というのが今作のストーリーだが、エンディングまで見ると『ワールド』で回収できなかった要素を補完した続編だった。

 

数種の新規モンスターのほかティガレックスナルガクルガジンオウガといった歴代の人気モンスターが登場したのはシリーズファンにとって嬉しい。私はディノバルドのテーマ曲が好きなのでディノバルド再録はアツかった。

↓MHXディノバルドのテーマ  

youtu.be

新要素「クラッチクロー」の登場でワイヤーを発射してモンスターにしがみつき、攻撃することが可能になった。アクションの幅が広がり、狩りは更に進化した。

 

BAD POINT

クラッチありきの難易度調整クラッチクローを活用すると一時的に攻撃が通りやすくしたり、運次第ではあるがスタンを取ることができ、クラッチ攻撃自体が空中を飛ぶ敵にも有効な攻撃手段になる。

しかし、これありきで難易度調整しているフシがあり、使いこなせないとものすごく敵が硬い。IBは歴代シリーズと比べて操作がトップクラスに複雑になった。「操作は複雑だが使いこなせば超火力」という武器があるのは良い。ただ、全部の武器を一律で難しくしてどうすんだ、とは思った。

 

無駄になったマムタロト武器。通常武器は派生先が追加されてマスター級素材で強化できたが、マムタロト武器は強化先が存在しない。あれだけ露骨に掘らせたんだから何か希少アイテムにコンバートくらいさせてくれてもよくない…?

 

ボス個別感想

※私が使っているのは大剣・ランス・ガンランスライトボウガンなのでおすすめ武器はその中から選出です

 

 ブラントドス

基本ザコだが、横着して氷やられを治さないとスタミナ切れに追撃を食らってなぶり殺しに遭う。

おすすめ武器:なし

 

バフバロ

狭いエリアでの倒木掘り返しラリアットはクソ。ガード武器を持っていこう。

おすすめ武器:ランス

 

トビカガチ亜種

驚くほど頻繁に猛毒にしてくるのでいっそ毒無効を付けた方がストレスを感じなくて済む。それ以外はほぼ通常種なので落ち着いて戦えばいい。

おすすめ武器:ランス

 

パオウルムー亜種

眠り無効を付けてください。以上。

おすすめ武器:ライトボウガン

 

プケプケ亜種

ウチケシの実をがぶ飲みしてればいいと思う。

おすすめ武器:なし

 

ベリオロス

スパイクをどれだけ早く壊せるかで難易度が変わる。クラッチで傷をつけながらバンバン攻撃してさっさと壊したい。グダグダやっていると氷やられからのとびかかり爪で死人が出る

おすすめ武器:大剣

 

ディノバルド

大回転尻尾に当たると死にます。フレーム回避が苦手な人は回避性能5積むかガード武器持っていこう。尻尾がクソ硬いので破壊するなら心眼必須。

おすすめ武器:ガンランス

 

ナルガクルガ

お前こんな弱かったっけ?火力設定ミスかってくらい攻撃力が低い。防具が有能なので全国のハンターにこぞって乱獲されましたとさ。

おすすめ武器:ガンランス

 

ティガレックス

お前こんな弱かったっけ?その2。過去作でやりすぎて動きを覚えてるからかもしれないけど、カウンター突きしてたら死んだ。大咆哮でダメージもらうしガード武器使う方が無難かなって気はします。

おすすめ武器:ランス

 

ブラキディオス

攻撃すぐ避けるし地雷まき散らすので温まりモンスター。ガンランスでやってえらい目に遭ったので機動力のある武器の方がいいかも。

おすすめ武器:大剣

 

凍て刺すレイギエナ

ずっと飛んでて降りてこないで冷凍ビーム連打してくる畜生。ボウガンで蜂の巣にしましょう。

おすすめ武器:ライトボウガン

 

アンジャナフ亜種

基本通常種と変わらない。申し訳ないが特別強敵でもないし存在感に欠けた。

おすすめ武器:なし

 

ドガロン亜種

なんと竜ブレスを会得。元からブレス使いのアンジャナフくんは助走つけてやっとブレス吐いてくるのに、こいつはバックステップついでにしれっとゲロしてくる。攻撃力がやたら高いので注意。

おすすめ武器:ランス

 

イヴェルカーナ

ストーリー攻略中、今作唯一クエスト失敗した相手。お前の強さ認めてやるよ。

氷ブレスで行動阻害される上に本体がすばしこく動くので慣れが必要。ただ防衛戦で燃料あの位置に置いたやつは間違いなく無能だからアステラのキノコ栽培係に左遷した方がいいと思うよ

おすすめ武器:大剣

 

紅蓮滾るバゼルギウス

通常種同様に貫通弾のカモ。なぜかイビルジョーと縄張り争い2回もしてくれたから放置してたらすぐ瀕死に。カプコンはイビルジョー、ラージャンと同じ枠でプッシュしたいみたいだけど、なんかこいつは強敵感しないんだよな。

おすすめ武器:ライトボウガン

 

死を纏うヴァルハザク

ヴァルハザクをクソ狭い古代樹の森に出そうと考えたやつ、絶対性格悪いぞ。案の条、閉鎖空間でバイオテロブレスかましてくるから終わりだよ。ガンスで1乙したのでキャンプで装備代えて斬裂弾で殺害した。

おすすめ武器:ライトボウガン

 

ネロミェール

水・雷耐性があるとクソザコと化す新古龍。完全新規なのに大きな見せ場もないまま討伐対象にされてしまったあわれなやつ。

おすすめ武器:大剣

 

アンイシュワルダ

こいつの強さの3割は床。フィールドに流砂を設置して確実に攻撃を当てにくる策士。どうでもいいんですけど変身後は九尾(NARUTO)に似てません?必殺技も尾獣玉だし。野良マルチだと尾獣玉とビームで死人続出の魔境。1人で攻略した方がマシだな!

おすすめ武器:大剣

 

おわりに

まだラスボス倒したばかりで切断の地に行ってないんですけど、たぶんそのうち何か書きます。

オープンワールドの傑作/ウィッチャー3評価

f:id:ohmisanyon:20190626233702j:plain

ウィッチャー3ワイルドハント

買ってから連日狂ったようにプレイしたWitcher3の評価を書きます。

各項目5段階評価です。

シナリオ☆☆☆☆☆
キャラクター☆☆☆☆☆
バトル☆☆☆
ボリューム☆☆☆☆☆
サウンド☆☆☆☆☆

総合得点 92/100点

 

◆シナリオ

一見関係なさそうなクエストからじわじわ本筋に迫っていくなどサイドにも埋め込まれた華麗な伏線回収に脱帽。「あれはこのことだったのか!」と納得する瞬間は気持ちがいい。
戦争中の物語ということもあり、どう転んでも全員が幸せな結末にはならないクエストの方が多い。運命の渦の中でもがく人間の無力さ、虚しさを描いているので、個人的には相応しいと思った。ただしハッピーエンドを望む人には苦痛かもしれない。

 

◆キャラクター

両面性のあるユニークなキャラクターが良い。主人公ゲラルトは基本的には社会道徳を守るが、勧善懲悪なわけではない。目標達成のためには非情な手段を採ったり、残虐な権力者を弑することを是とする。
また、ヴェンガーバーグのイェネファーは女魔術師の悪の側面を表した代表例だと言えそうだ。彼女は他者を思いのままに操ろうとしたり、死者に鞭打ったりと道徳的に逸脱した行為を働くことがしばしばある。それらは彼女にとって娘同然の存在である"シントラの仔獅子"ことシリラへの愛ゆえの行動でもあるのだが……。
彼女はそういった危険なあるいは倫理的に問題のある行為を犯す際に、正直に説明すれば反対されることがわかっていて敢えてギリギリまでリスク面を黙っていたりするのがしたたかでありいかにも女魔術師らしい。

 

◆バトル

別段悪いというほどでもないが普通。このゲームにおけるバトルは物語を楽しむための演出装置という印象を受けた。一撃離脱の回避反復ゲーなのでトロフィー目的でないなら低難易度でサクッと遊ぶ方をおすすめする。
なぜこうなってしまったかについて軽く説明すると、印(魔法)は性能格差が激しい上にガス欠になりやすく、弩は威力が低すぎてメインウェポンにはならない都合で結局無難なのが剣と爆弾くらいしかない。受け流し反撃などもあるが、怪物の攻撃は重くて受け流しができない。(なんで??)
簡単操作でかっこいいフィニッシュムーブが決められるのは良い。

 

◆ボリューム

狂った量の情報がこれでもかと散りばめられている。書物の大半は本筋に関係のない情報なので見る必要はないのだが、想像をかきたてるようなフックであふれている。
サイドクエストも本編並みに気合の入ったシナリオが語られることが多く、本筋に関係のない場所で行った善行の結果が思わぬところで影響してきたりする。
おそらく開発もプレイヤーが全ての情報を拾うことは想定していないので、興味を持ったところだけやればいい。旅の指針を決めるのは開発者ではなくプレイヤー自身なのだから。こういったある種の雑さがあるので、何事もコンプリートしたい性格の人には合わないかもしれない。

 

サウンド

狂気的なこだわりの発揮でボイス実装量が異常。会話イベントが発生していなくても立ち聞きで様々な情報が拾える。血なまぐさい戦場感覚から離れた庶民の生活を垣間見れるのが良い。
音楽も良い。スラヴ系民族音楽からアレンジしているらしく、バルト三国をイメージさせる舞台とマッチしている。

 

◆総評

神ゲー」には全員が80点をつけるものと賛否は分かれるが5割の人間が満点をつけるものがあるという。Witcher3は後者だと思う。合うと思った人はぜひウィッチャーの世界に飛び込んでみてほしい。驚きと苦悩と勝利の冒険があなたを待っている

あまりに重い選択/ウィッチャー3エピソード紹介

f:id:ohmisanyon:20190618203315j:plain


こんにちは
私はここ最近『Witcher3』にハマっているんですが、このゲームはシナリオがよくできていて、印象に残ったエピソードを備忘録ついでに紹介しようと思います。

◆Witcher(ウィッチャー)はどんなゲーム?

プレイヤーは怪物退治の達人のゲラルトになって世界を旅します。彼らの世界では、この怪物退治の専門家のことを「ウィッチャー」と呼んでいます。

Witcherの世界は『指輪物語』のようなハイファンタジー世界です。(私と同世代だと『デルトラ・クエスト』と言った方が伝わりそう)
今作では怪物退治を請け負いながら様々な人と出会い、行方不明の弟子シリを探しに行きます。

◆どうしようもないクズ、男爵

ゲラルトはシリの行方を求めて、血まみれ男爵(以下、男爵)と呼ばれている人物を訪ねる。彼はどうやらシリの行き先を知っているらしいが、自分の妻子も行方不明なのだという。
そこで彼はゲラルトが男爵の妻子を見つけてきたら、シリについて知っていることを話すと持ちかけてきた。
当初男爵は妻子は誘拐されたと話していたが、ゲラルトの調査によって男爵の説明は嘘で、彼の家庭内暴力が原因で妻子が逃げたのだと判明。ゲラルトは「お前はクズだ」と罵るが、男爵は妻は浮気をしていたから殴られる理由があると言い訳する。

f:id:ohmisanyon:20190618203457j:plain

確かにクズだが、なぜか憎めない男

◆狡猾な貴婦人

ゲラルトは調査を続け、沼地で孤児の面倒を見ていた老婆が男爵の妻であることを突き止める。彼女は男爵の家から出るために魔女の助けを借り、その代償に悪事の片棒を担がされていた。
その沼地は「森の貴婦人」と呼ばれる恐ろしい魔女によって支配されていた。ゲラルトはシリの行方を教えてもらう対価に貴婦人からの依頼を請け負うことになった。
貴婦人は殺害した魔術師が地縛霊になって領地を荒らしていることに苛立っていた。ゲラルトは沼地の村の住民の案内に従って亡霊に接触した。

◆危険な取引

亡霊いわく、沼地の孤児は魔女の生贄になる運命であり、助けたい。自分を呪縛から開放してくれたら助けると取引を持ちかける。*

ゲラルトは亡霊に馬の肉体を与えて開放し、一度報告のために男爵の屋敷に戻る。

◆救った命、殺した命

男爵の妻を連れ戻すために男爵と沼地に向かうゲラルト。沼地の村に立ち寄ると村は破壊され、村人は殺戮されていた。生き残り曰く、「馬の怪物が襲ってきた」のだという。亡霊は確かに約束通り孤児を開放したが、同時に自分を見殺しにした村人たちに復讐したのだった

◆自分が選んだ、結末

男爵の妻は孤児を逃がすことに加担した罰で死の呪いをかけられてしまった。ゲラルトは呪いを解くべく奮闘するが魔女の罠に嵌められて、男爵の妻は亡くなってしまう。
男爵は「1人にしてほしい」と言い、先に屋敷に帰る。
後日ゲラルトが報酬を受け取るために屋敷へ足を運ぶと、男爵は庭で首を吊っていた。自らの愚かさが妻を死に追いやった事実に耐えられなかったのだ。
男爵の部下は全くどこ吹く風な様子だったのでゲラルトは哀しくないのかと問う。部下は「酒に酔って横暴をするからいつか死ぬと思っていた」と平然と答える。

ゲラルトは男爵の哀れな最期を見届けて、次の旅路に向かった。

 

◆本当にこれが選びたかった結末だったのだろうか

人は時に小さな悪と大きな悪を選ぶ時が来る。できればどちらも選びたくないものだが、前に進むためには選ばなければならない。ゆえに振り返るべきではない。進み続けるためには常に何かを犠牲にしなければならないのだから。

*ちなみに亡霊を信じずに始末すると、孤児は全員魔女に喰われ、男爵の妻は凄惨な光景を見たことで廃人になってしまう。男爵は妻を治療するために旅に出る。

「孤児」or「男爵+妻+村人」しか選べない。どちらもが正解であり間違いである。

No1になれなかった男の物語/ガタカ

 

f:id:ohmisanyon:20190416234330j:plain

イーサン・ホークジュード・ロウが若い

こんにちは。今回は「ガタカ」という映画の感想です。

みなさんに夢はありますか?

具体的な目標がなくても、家庭を持ちたいだとか、こんなことをやってみたいだとか、漠然とした希望はあるかと思います。

しかし、もし「お前にはできない」と夢を否定されてしまったら。

夢を否定された人はどうしたらいいのでしょうか。

 

あらすじ

この作品は近未来の宇宙研究施設を舞台としたお話です。

富裕層の間で子どもの卵子に遺伝子操作が施すことが当然となった時代。社会は彼らを「適合者」と呼び、エリートとして重用する一方で、自然に生まれた者は「非適合者」として蔑まれていた。
主人公のヴィンセントは非適合者だった。両親の気まぐれで自然に生まれたのだった。
彼の障害を見て後悔した両親は、次男アントンには遺伝子操作を施した。その結果ヴィンセントは常に優秀な弟に比べられながら育つ。

成長したヴィンセントは宇宙飛行士を志すようになる。しかし、宇宙飛行士の養成施設「ガタカ」の入社試験には遺伝子検査でどうしても合格できない。
夢を諦めきれない彼は適合者のジェロームと出会う。
ジェロームは適合者の中でも特別優秀な遺伝子を持つ水泳選手だったが、事故で半身不随になってしまった。
ヴィンセントはジェロームから尿や血液の提供を受けてガタカに不正に入社する代わりに、ジェロームを給料で養う契約を交わすのだった--。

 

面白いポイント
いつバレるのかという緊張感

この映画はほとんどずっと緊張しっぱなし。ヴィンセントの素性がバレたら全て終わりの極限状態。ただでさえバレたらクビなのに殺人事件の容疑もかけられそうになり...。観客はミステリー物の犯人側の気持ちになれます。


熱いポイント1
ナンバーワンになれなかった男の友情

ヴィンセントは血の滲むような努力をしても遺伝子が原因で誰にも認めてもらえず、優秀な弟へのコンプレックスを抱えて育った。

ジェロームは優秀な遺伝子から常に将来を期待されてきたが、取れたのは銀メダル止まりだった。周囲の大きすぎる期待に潰され、自殺未遂をして半身不随になった。

生い立ちこそ違えど、2人はナンバーワンになれず、家族にも理解されなかった似たもの同士。
初めこそジェロームはビジネスライクな態度だったが、自分の名前すら捨ててでも夢を追いかけるヴィンセントにかつての自分を重ねるようになる。
自分の果たせなかった栄光を掴んでくれるかもしれない、と。

わざとらしい言葉にはしない。静かな熱い友情を感じる作品。

 

熱いポイント2
決して変えることができない運命と戦うことがもたらす意味

自分の力ではどうしようもない運命というものがある。それは自分が生まれるよりも遥か前から決定された宇宙の法則や星々の導き、あるいは神様の意思なのかもしれない。
運命はそう簡単に乗り越えられるものではない。もし根性や努力で容易く乗り越えられるものならわざわざ「運命」などという言葉は使わない。
おそらく、ヴィンセントは心臓病という運命の終着点を変えることはできないだろう。作中で描かれていないものの、宇宙での過酷なミッションを耐えきれる可能性は低い。

しかし、辿り着く結果が同じだったとしても、戦い続けたことで変わった運命もあった
ヴィンセントとジェロームは孤独に戦い続けてきたが、最後の最後に頑張りを認めてくれる人が現れた。
誰にも自分を認めてもらえない宿命を背負い続けた彼らが最後の最後に自分自身を認めてもらえた瞬間だった。
彼らの挑戦は希望となって誰かの胸に伝わった。
運命という大きな流れの中でも、夢を持ち続け立ち向かうことが何かをほんの少しでも変えていくのかもしれない。


静かな映画ですがとても熱いメッセージを秘めています。

周囲から否定され、自らの無力さを嘆いてきた人こそ心に響くものがあると思います。

 

八重花桜梨がめっちゃ推せるって話/ときめきメモリアル2

何気なく往年の名作をプレイしたら心理的ダメージを受けて4んだので推しを布教します。

 

八重花桜梨って?

f:id:ohmisanyon:20190412001639j:plain

育成恋愛SLGときめきメモリアル』(PS1)に登場するヒロイン。同作は10人のヒロイン(隠しキャラ除く)が登場するのでそのうちの1人。ときメモはいわゆるギャルゲーで好きなヒロインにアプローチをかけて攻略、高校卒業の日にハッピーエンドを迎えることが目的。また、近年主流のADV系とは異なり、主人公の能力を育成することで進行フラグを立てたり、好感度を稼いでいくシステム。

八重さんは「運動」パラメーターを伸ばすことで登場する。定期試験ではトップを取ることが多いため一見学力重視に思えるが、参照パラメーターは運動のみなので極論一切勉学に励まなくても攻略はできる。

※赤点を3科目以上取ると補修で予定を潰されるので、特別こだわりがなければ最低限の勉強はしておいた方がいい。人生だ。

 

八重さんのどこが推せるのかって話

はっきり言って、序盤の八重さんは冷たい。最初のデートは必ずすっぽかされるし、デートの約束を断られる確率は非常に高い。

他の子は好感度が高まると「ときめき状態」(いわゆるデレ状態)になり、頬が紅潮するのだが、八重さんは内部仕様によって3年春までは絶対にときめき状態にならない

これは八重さんが高飛車な性格だというわけではなく、どうやら過去に何らかのトラウマがあったことが1年生の3学期に起こるイベント『信じられる人』によってわかる。

『信じられる人』

このイベント、専用CGもないから地味だけどめっちゃ好きなんですよ。

過去のトラウマから「人を信じてもまた裏切られるだけではないか」と幸せを失う恐れを抱き、主人公を突き放そうとする八重さん。

そうやって、信じられるかどうかわかる前にあきらめちゃうんだ」と主人公が返すと、無言で去っていくけれど、ここから何かが変わっていくことを予感させるシーン。

CGも音楽も暗い雰囲気の中、非常に力強いメッセージを放っているカットだと思います。「誰かを信じる」ということの困難性を認識した上でそれでも人を信じるという力強い生き方を提示している。

そうなんだよな。人を信じても裏切られることもある。かといって「正しく」生きることから目を背け誰も信じない選択肢は、裏切られることはないけど辛いんだ。胸の内を分かち合えることもなく、陰鬱とした気持ちを1人抱えて光から目を背けるのは惨めで辛い。

それは八重さんもわかっていた。それでも踏み出せなかった。だけど、ここで内面から変わっていく決断を下すことができたのだと思う。

 

ここから1年弱極端なデレはしないものの、修学旅行では少しずつ信頼を見せてくれるようになる。

 

そして3年目の4月8日・・・

破壊力最強のイベント『咲き遅れの桜・決意』

桜の咲く中央公園で過去のトラウマを話してくれるイベント。

八重さんは1本だけ咲いていない桜を見て、「私みたい」と呟く。

彼女は実は主人公の1つ上で、元は別の学校に通っていた。バレー部に入って活躍していたが、ある日部費の横領事件が起こる。犯人は上級生だとわかっていたが、下級生は怖くて告発ができない。しかし、このままでは廃部になりかねない。

彼女は自分が罪を被って停学になることでバレーを続けられるなら、それでもいいと思った。だが停学が解けた後彼女は孤立し、誰も一緒にバレーをしてくれなかった。

ひびきの高校に新入生として編入したものの、このトラウマから誰かを信じる気持ちにはなれなかった。バレーをしたいという思いを抱えながらも、入部はできない。物憂げに体育館を見つめることしかできなかった。

私はこの桜と同じ。花も咲かない、ただ迷惑なだけ

それは違う。この木も咲くよ、それが人より遅いだけだ

例え咲いても・・・

焦って咲いても色がなければ意味がないんだ。八重さんは八重さんのペースで咲けばいいんだよ

f:id:ohmisanyon:20190412011734p:plain

BGMがエモすぎてずるい

しんどすぎて心で泣きました。マジで無理。助けてくれ。

 

八重さんはやっと自分を許せたんだね。中高生なんて時は見える世界が狭いから、人と比べて自分はどうだと考えがちだけど、自分と他人の咲く早さなんて違って当然なんだ。

桜が夏に咲かなくて悪いなんてことはない。春をゆっくり待てばいいんだ。大事なのは自分が受け入れられる自分になることで、焦って他人と一緒になろうとしたり、人から認められようと本心を偽ったりすることじゃない。

 

ここを経由してるからこれ以降八重さんが幸せそうな表情してるだけで泣けてきてしまうんですよね。もうだめだよ、オタク。

これ以降はデレデレになるのですが、それが記憶の中の「咲き遅れの桜」と二重奏を奏でて胸の内がぐちゃぐちゃになって4にます。

 

f:id:ohmisanyon:20190413013615p:plain

ときめきモードの八重さん

終わりに

ときめきメモリアル2』はPSアーカイブスで遊べるのでぜひ遊んでみてください。私はvitaでプレイしていますがPS3でもできるっぽいです。

八重さんは攻略難易度高めのキャラなので、一応1周目はスタンダードにメインヒロインの攻略をおすすめしておきます。1周目でシステム理解が済んだら本命に挑戦するのがいいかなと思います。