感想 ふしぎの海のナディア 中
前回に引き続き、「ふしぎの海のナディア」14~26話を観たので感想を書いておく。
前回(1~13話の感想)
○あらすじ
再びノーチラス号に保護されたジャンたちは、ノーチラス号のクルーとの交流を通じて人間として成長していく。しかし、激化するネオアトランティスとの戦いで仲間が命を落としてしまう。そこで改めてこの船は戦争の真っただ中にいると自覚させられるのであった。
南極基地での補修を終え、ガーフィッシュを追跡するノーチラス号だったが、ガーゴイルの策略にはまりあえなく撃沈されてしまう。追い詰められたネモ船長はジャンたちを逃がし、ノーチラス号と共に深い海の底へと沈んでいったのだった。
○感想
20話を過ぎたあたりから物語の核心に迫るような情報が出てくるようになり、一気に引き込まれた。謎に包まれたネモ船長の素性や過去が明かされると、13話まででなぜどうしてと思っていた部分が解決されて気持ちがよかった。それと同時に「皇帝」という謎の人物が登場して新たな謎が生み出されたりとこれからの展開に期待を持たせる構成であった。
好きなエピソードは「大人になりたい」と主張するジャンにサンソンが厳しく現実を突きつけるシーン。
ジャンは自分が大人たちの仲間として扱ってもらえないのは自分が子どもだからだと思っていた。彼は年齢こそ幼いかもしれないが、自分には発明の頭脳があると自負していただけに、「子どもだから」と仲間はずれにされるのは納得がいかなかった。不満気な態度を取るジャンに、サンソンは「お前は一人前の人間としてできていないことがある。だから子ども扱いされるんだ」と一蹴するのだった。
似たようなシーンは現実でも星の数ほどあるだろうが、ちゃんと言語化して子どもに伝えられる大人は少ないよなあって思った。ほとんどの親は「生意気言ってないで大人しくしなさい」で済ませるだろうよ。でもそれじゃあ、子どもも納得できないし、余計に不当に扱われたと思うだけだ。サンソンは言い方こそ厳しいけれど、「自分がすることのケリは自分でつける。人に頼ってばかりじゃなくて自分でできることは自分でやれ」と言語化して伝えているのがえらい。このアニメで一番好きなのサンソンなんだよな。
あと、ジャンが「ノーチラス号になぜ乗るのか?」と聞かれて、「この船のみんなが好きだから」と答えるところも好き。「父の仇を討つため」でも立派な理由なのだが、あえてそう言わなかった。ジャンのやさしさを感じて好きになったシーンだった。
○今後の展開について
まず無人島に漂流して以降、停滞している現状をどのように打開するのか。また、沈んでいったネモ船長たちは本当に死んでしまったのか。これらが大きく気になるところ。
また、皇帝の目的は一体何なのか?ということも重要なキーになりそうだ。
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