ゲーム評論:FINAL FANTASY XV その5 (ネタバレ有)

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ストーリー編4

帝都へ侵入したノクトだったが、グラディオ・イグニスと分断されてしまう。また、帝国の妨害装置のせいで武器召喚の魔法も使えなくなってしまい絶体絶命の窮地に立たされる。一人ぼっちになり、改めて光耀の指輪を見つめるノクト。

父レギス・ルーナ、大切な人たちが命がけで守ってきたという重みから今まで付けられずにいた。自分はこの指輪を手にするに相応しい王なのか。しかし、立ち止まるわけにはいかない。託された想いに応えるために。遂にルシス王の象徴たる秘宝がクリスタルに選ばれし運命の王の手に収まった―。

指輪魔法を装備すると弾数無限の即死魔法「デス」・「オルタナ」とジャストガードで大ダメージの衝撃波を放つ「ホーリー」が使える。強いんだけどチャプター13では武器召喚できないためこれしか使えない。

そのくせダンジョンが長くて飽きるFF15の面白い部分って仲間との掛け合いなのに、仲間と分断された状態で攻略に2時間以上かかるダンジョンはしんどい。サブタイトルが「ルシス王の孤独な戦い」で意図はわかるけれど、あまりに長すぎて不快。バランスを考えろ。中村悠一「チャプター13作ったやつ許さんからな」と言ったのはここ。マップが広すぎる・補給縛りを強いられる・仲間のいない三重苦がしんどい。

 

色々調べると帝国は領民を犠牲に人体実験を繰り返していたことが判明する。シガイも元は人間や動物であり、ウイルスに感染するように増えていくということもわかる。この設定もうちょっと上手く使えなかったのかーー?人語を話すシガイに遭遇するとか事前に伏線撒いといてもよかったと思う。最終盤で怒涛の展開すぎて若干置いてけぼりを食らう。納期が間に合わなかったんでしょうか?全ての陰謀の糸を引いていたのはアーデンであり、彼を滅ぼさないことには世界は救われないのだ。(帝国皇帝はアーデンの操り人形に過ぎず、帝国の全てを操っていたのはアーデンだった)

 

仲間たちと合流し、囚われていたプロンプトを開放するも、シガイの大軍が立ちふさがる。ここは俺たちで持ちこたえる、行け!という仲間たちの声に押されてノクトはクリスタルを目指して走る。クリスタルに仲間の窮地を救う力があると信じて―。

 

クリスタルにようやくたどり着き、シガイを駆逐する力をくれ!と願いながら手を触れると、ノクトの身体はクリスタルに吸い込まれていく。抜け出そうともがくが引きずりこまれていく。そこへ背後からアーデンが現れ、彼の真の目的を告げる。

彼はルシス王家とクリスタルに裏切られた人間だった。彼には他人の病をその身に引き受けて治す力があった。穢れを引き受け続けた彼はクリスタルからは穢れた者として否定され、王家は人のために尽くした彼を化物扱いして処刑した。

闇を取り込み不死者となり、ルシスとクリスタルへの憎悪を糧に数千年生きてきた。全てはクリスタルに選ばれた真の王を殺して完全なる復讐を果たすために。

「人間のお前を殺しても意味がないんだ、だから早く真の王になってくれ。クリスタルごとルシス王を葬り去ることが俺の望みなんだ」

その後クリスタルの中で剣神バハムートと出会い、クリスタルの力を授かった選ばれし王が命を捧げることでしか星を滅ぼす力そのものと化した不死者を葬る方法はないと告げられる。またクリスタルの力を得るには長い時を要し、仲間はお前が真の王となって帰ってくる時を待っていると言われる。

 

RPG史上でもなかなか居ないレベルでマメなラスボス。帝国の軍事力を強化し、ルシス王国を追い詰め、シガイを増やして、世界の危機を煽ってクリスタルが真の王を選ぶのを待ち、ノクトと神凪であるルーナの婚約を提案して六神の力を得やすい環境を作り、王都を破壊してノクトを旅に出させ、レイヴス将軍がノクトを殺そうとしたときには間に割って入り、心を完全に折らない程度に仲間を痛めつけて王の自覚を促す。全ては真の王をこの手で殺すため。凄まじく気の長いヤツ・・・。

剣神バハムートの圧迫面接命を捧げることを要求してくる超絶ブラック体制。「仲間もお前が真の王となるのを期待している」のトドメ付き。そりゃ仲間は命を捧げるって知らないんだから嘘は言ってない。

追記:追加DLCエピソードイグニスでイグニスは知っていることが明らかになりました

レギスは「真の王」の意味を知っていたので息子に本心を話すことが出来なかったのだと思われる。

FFXⅢのライトニングさんが運命に立ち向かう主人公ならノクトは運命に殉ずる主人公か。ホストだとか揶揄された前印象からは想像できないほど、故郷が壊滅して、父親・恋人が殺されたり、神から「世界のために戦って死ね」と言われたり散々な人生。それでも恨み言1つ言わない出来過ぎている人間性ゴリラは見習えよな

 

ノクトは最期の戦いへ向かう。託された想いと王の責務を果たし、世界に光を取り戻すために。